「掌蹠膿疱症」。馴染みの薄い病名だと思います。テレビで奈美悦子さんがこの病との闘を語ってから、多少の認知度は上がったものの、まだまだマイナーな病気です。私自身も、罹患するまではこんな病気知りませんでした。ネット検索で知ったのですが、2万人に一人の割合で発症する奇病だそうです。しかもこの病気、罹患者の85%は喫煙者って、天罰みたいな病気です。
手のひらや足の裏に小さな水ぶくれができて、それが次第にウミが溜まった膿疱に変化していきます。この段階で足の裏に剣山を貼り付けて歩いているような激痛を伴い、その後カサカサになります。それを何度となく繰り返していきます。
それとさらに厄介なのは、関節炎を伴う場合です。私もその最悪のパターンだったのですが、元々椎間板ヘルニアを持っていたので、掛かり付けの整形外科でいつものリハビリを行っていたのですが、そのうちに鎖骨の少し上の謎の部位に痛みが走り出して、終いには手を胸より上に上げられなくなってしまい、同時に足の裏に水疱ができてきました。そこで、医師に相談すると、皮膚科の病気に原因があるかもしれないから受診するように薦められました。
早い段階で病名がついたのは幸いなことだったのは、後で知ったことですが、医師に恵まれない地域では七年八年、ひどい場合には十数年原因不明で半寝たきり状態で、十八年目でやっと病名がついたなんていうこともあるそうです。
ネット検索で、この病名のコミュニティーを見つけると非常にネガティブな体験談が綴られております。秋田の有名な、この病気の権威である医師が引退してしまったりしていて、もう治らない……とか、お先真っ暗な書き込みが多数見つかります。しかし、がんも最新治療の研究が進んでいるように、ある程度は治療法の確立されている病気ですから、時間はかかっても確実に回復します。といっても、完治する病気ではないので日常生活に支障のないところまで回復できれば御の字だとも思います。私は約三年で傍目にも、自身の生活にも支障のないところまで回復できました。同病のみなさま、あきらめずに通院をつづけてくださいませ。